中晩柑の皮を片手で剥く
中晩柑とは、1~5月に収穫される柑橘類の総称です。(温州みかんは含みません。)
はっさく、あまなつ、清見オレンジ、不知火、いよかん、などの品種が有名です。
中晩柑は総じて皮が硬く(厚く)、皮を剥くのに苦労します。
私は右手が不自由なので、なおさらです。
そこで、皮剥きの補助となる”自助具”を作成しました。
自助具を使うと、右手で果実を押さえる必要が無く、皮を剥くことができます。
◯材料
タッピングネジ M5 110mm
ステンレス/生地 (+) サラタッピング [1種A形]
M5×110 【 バラ売り : 2本入り 】
442円(税込) (楽天市場 ネジのトミモリ)
ネオジム磁石 φ25mm
6 個の磁気プッシュピン、25mm 14kg 吸引力 NdFeB 強力なラウンドマグネット、小さなホワイトボードマグネット、学校、オフィス、地図などの冷蔵庫用マグネット
ブランド: Dilwe
¥1,719 (Amazon)
ペットボトルのキャップ
ステンレスバット(18-0、磁性体)
ステンレスのバット。磁石に吸引されます。
みかんカッター
【業務用】 みかん パック カッター C-9538
パール金属(PEARL METAL)
¥165 (Amazon)
オレンジピーラー
ASDSH オレンジピーラーマウス型 3個セット オレンジピーラー 皮抜き オレンジ皮抜き 簡単皮むき
ブランド: ASDSH
◯工作
ペットボトルのキャップ(凹面)を、ホットメルトで満たします。
ホットメルトは冷える際に収縮するため、できるだけ一杯に満たします。冷やした時に収縮が大きければ、再度ホットメルトを注ぎ込みます。
熱い時は透明です。
1時間ほど放置して、完全にホットメルトを冷まします。
冷めると不透明になります。
3.5mm径のドリルでキャップの中心に穴を開けます。これがタッピングネジの下穴になります。
キャップ(ホットメルトで塞がったキャップ)にタッピングネジをねじ込みます。
この作業によりネジが切られます。
(ねじ込むには、トライバーを使います。)
ネジが切れたら、タッピングネジを外します。
ネオジム磁石の穴にタッピングネジを通します。
キャップにタッピングネジをねじ込みます。(ネオジム磁石を挟んで、締め付けます。)
ネジを十分に締めつけたら、完成です。
◯使ってみる
ここでは不知火を剥いてみます。
不知火は剥き易い柑橘に分類されますが、片手では難儀します。
↑不知火 デコポンは熊本県果実農業協同組合連合会の商標です。
ステンレスバットを置きます。
バットは18-0ステンレスを使用します(磁性体であることに注意)。18-8ステンレスは使えません。
大きさ、深さは、お好みで。
ステンレスバットの中に自助具を置きます。自助具は磁石の力でステンレスバットに吸着しています。
自助具の先端に不知火の底を当て、串刺しにします。
オレンジピーラーを手に持ち、4箇所ほど下から上に傷を入れます。
↑下から上に刃を入れます。1箇所刃を入れたら、45°回して次の刃を入れます。
みかんカッターを使って、ヘタの部分を切り取ります。
手で上から下に皮を剥いていきます。
上側が剥けたら、不知火の上下をひっくり返します。
底の皮を剥いたら出来上がりです。
不知火の良い香りが、部屋の中に広がります。
◯結論
磁石の吸着力は、これで適当だと思います。吸着力が弱すぎると、 作業中に外れてしまい、強すぎれば外すのに難儀します。
この自助具の良いところは、簡単に水洗いできることです。しばらく水につけておき、ブラシで擦れば綺麗になります。
みかんカッターとオレンジピーラーの2種類のカッターを使います。これらは、簡単な構造で不良品も無いため、なるべく安い店で購入するのが良いと思います。
以前に「清見オレンジの皮を剥く」 自助具を作りました。
↑こんなの
先の自助具は果実を水平に固定しましたが、今回は垂直に固定します。
1つの果実には重い部分と軽い部分があります。形も完全な円形では無く、歪みが有ります。 (植物なのだから、当たり前です。)
果実を水平に固定した場合、重たい側が常に下になります(下になる様に回転します)。これだと、皮に傷を入れる時、やり辛い時があります。
垂直に固定すると、この様な事はなくなります。
この自助具を開発する時に、大きな障害となることがありました。
それは、 中晩柑が常時、入手可能ではないことです。それに、中晩柑は生のフルーツなので、日持ちはしません。(大量に購入して、備蓄することはできません。)
簡単な工作でも、材料の入手には1w位かかります。材料の変更があれば、さらに1w伸びます。
材料が揃わないと、工作が始められません。
そんな事をしているうちに、検査に必要な中晩柑は、売り切れになってしまいます。(あれま!)
剥いた後の果実を、処理するのも問題です。
まあ、剥いた果実は食べるのですが、そのうちに飽きてきます。
「もう、見るのも嫌 」と思う前に、自助具を完成させる必要があります。
完成しなければ、来年に持ち越しになります。
この自助具も2年越しの開発になりました。
(この手の自助具が見られないのは、その所為か?)
とにかく、皮が剥けたので、
めでたしめでたし