左手のみ

左手のみで生活すると 自助具(ガジェット?)を作る

3 D プリンターで「置き鋏」を出力する

3 D プリンターで「置き鋏」を出力する    

置き鋏(おきばさみ)というのは、私が作成した自助具で、袋などを切るための道具です。

これ「置き鋏 Ver.2」

 

これを使うと、片手でお菓子の個別包装を開けることが出来ます。

粉薬のパックを開けることも可能です。

 

従来(Ver.2)は、鋏(市販品)にアクリル棒やステンレス板を組み合わせて作っていました.

今回それを新しく、3Dプリンターを使って作り直しました。

3Dプリンターを使うことによって、工作が容易になりました。製造コストもだいぶ安くなります。 

 

◯材料 

PLA+ フィラメント

iBOSS PLA Plus 3Dフィラメント 3D印刷 PLA+ 3Dプリンターフィラメント 靭性強化 高密度 1.75mm径 1kgスプール 寸法精度+/- 0.02mm ほとんどのFDMプリンターに適合(ライトブルー)

¥1,898 Amazon

 

 握り鋏 (糸切り鋏)

アレックス(ALLEX) 糸切りはさみ 長刃 15142

¥548 税込 配送料 ¥250 Amazon マーケットプレイス 販売元 御用待本舗)

 

滑り止めテープ 

サンコー ズレない 安心 滑り止めテープ カーペット マット 用 3cm×3m おくだけ吸着 日本製 KD-32

¥403 税込    (Amazon

 

ゴム足 

ALLVD 100粒入り家具 滑り止め ゴム足 シール ソフトクッション 緩衝 滑り止め シール 透明/クリアー色 丸型・円形 粘着タイプ 防振・衝撃・キズ防止 (半球形 透明) (直径10mm×厚さ3mm)

ブランド: ALLVD

¥480   (Amazon

 

エポキシ接着剤 

ブランド: コニシ(KONISHI)

ボンド Eセット 100gセット #16051

¥782 税込    (Amazon

 

◯工作

本体の図面を描きます。

製図のために、握り鋏の詳細な寸法図が有れば良いのですが、そんな物はありません

メーカーに要求しても、たぶん出て来ないでしょう。(1万個で発注すれば、出してくるかもしれない。)

仕方がないので、現物合わせで図面を描き、その後、試作と修正を繰り返しました。

十数回の試作and修正を繰り返し、最終的な図面を得ました。

このあたりは、もっと良い方法が有る様な気がします。(3Dスキャナーとか。) 

本体

本体寸法

押さえる部品

3Dプリンターで出力します。

本体の一部に空洞を作り、軽量化を計りました。(≒フィラメント を節約しました。)

本体だけでも良いのですが、鋏を”押さえる部品”も作りました。”押さえる部品”が有ると、見た目がすっきりします。 

出力時間は8時間41分かかりました。

↑出力したもの。 ラフトが付いています。

 

押さえる部品

 

重量は63gです。

 

フィラメントのコストは120円程度です。(1898×(63/1000)=119.574 安い!)

色は「ライトブルー」にしてみました。 

 

ラフトを外します。軽く引っ張れば、外れます。

 

握り鋏を接着します。

 

さらに、”押さえる部品”を接着します。クランプで固定し、接着剤が完全に固まるまで放置します。 

 

1昼夜放置しました。

 

滑り止めを46mmの長さに切ります。

 

滑り止めを貼ります。

 

ゴム足( 4個)を貼ります。

 

 以上で完成です。これを「置き鋏 Ver.3」と命名します。

 

トータルで72gになりました。


◯使ってみる

粉薬の袋を開けます。

薬を一方に寄せます。こうすると、切り口から藥がこぼれません。

 

刃の間に袋を入れ、切ります。

↑親指で刃を押します。

株式会社不二家 カントリーマアム、亀田製菓株式会社 ソフトサラダ亀田製菓株式会社 海苔巻きせんべい、森永製菓株式会社 ムーンライト、カバヤ食品株式会社 フルーツのど飴、を開けます。

 


切れ味は「置き鋏 Ver.2」と変わりません。

 

◯結論

全体的に、しっかりと出来ています。歪んだり、捩れたりしている部分は見られません。強く押さえても、へこんだりしません。

 

握り鋏はALLEXの15142です。ステンレスの鋼材を使っているので、錆に強くなっています 。

 

「置き鋏」は、極端に言うと、超ミニサイズの断機裁(押切り)です。

裁断機の欠点は、切断が可能な長さが制限される事です。最長で、刃渡りの長さになります。

「置き鋏」の場合、約30mmです。30mm以上は切れません。

 

現物合わせで鋏の寸法を測定し、図面を描いています。(鋏のサンプルは2個。)

この企画が成立するためには、複数の鋏(複数のロット)を測定した場合でも、寸法が一定以内に収まっていなければなりません。

寸法のバラつきが大きければ(部品に個性があれば)、図面の修正が毎回必要になります。

まあ、日本製の工業製品なので、大丈夫だとは思いますが。

 

従来の「置き鋏」は、鋏を交換できる構造にしていましたが、今回はやめました。

「置き鋏」を1年以上使っていますが、劣化や故障が見られないため、あまり意味がなかったと思います。

 

3Dプリンターを使用することにより、簡単に、いくつでも「置き鋏」が作れる様になりました。

めでたしめでたし

 

ALLEXブランドの林刃物株式会社は、刃物の町、岐阜県関市のメーカーです。