調理した食品を皿に移す
片手に障害があると、調理の時に、色々と不都合が発生します。
調理した食品を皿に盛り付ける時にも、苦労する場合があります。
作った料理が、粘性の低い液体の場合、皿に盛るのは簡単です。(オタマですくって、空けるだけ。)
大きめの固体ならば、トングを使って移すことが出来、これも簡単に盛りつけることができます。
逆に、粘性の高い液体(ゾル)などは、盛り付けに難儀します。
例えば、タルタルソースを作ったとします。
粘度の高いタルタルソースは、ボウルの底に張り付き、動こうとはしません。 ボウルを逆さにしても、落ちて来ません。(調理した量にも寄りますが。)
この場合、ボウルを傾けながら、スプーン(またはゴムベラ )を使って、タルタルソースを集め、皿に盛り付けます。
しかし、片手が不自由だと、ボウルを傾けることができません。
(ボウルを傾けることと、スプーンを持つことが同時にできません。)
仕方なく、ボウルを置いたまま、スプーンでタルタルソースを集め、皿に盛り付けます。
しかし、ボウルを傾けないと、上手くタルタルソースを集める事が出来ません。そのため、ボウルに付着したタルタルソースがかなり無駄になります。(もしくは、ソースを集める作業に時間がかかります。)
これを何とかしたいということで、 ”調理した食品を皿に移す自助具”を考えてみます。
◯材料
ステンレス板
光 SUS 2×100×300mm HS2310
ブランド: 光(Hikari)
価格: ¥888 (Amazon)
プレート
NOTRICKT QRP-006 150mm クイックリリースプレート, DSLRやミラーレスやコンパクトカメラ用, アルカスイス規格互換
ブランド: NOTRICKT
価格: ¥1,249 (Amazon)
起金(おこしがね)
遠藤商事 業務用 起金 3.5寸 18-0ステンレス 日本製 GOK02035
ブランド: 遠藤商事
価格: ¥473 (Amazon)
雲台
Z型 三脚ヘッド クイックリリースプレート 折りたたみ 雲台 チルトヘッド カメラサポート
ブランド: Baosity
サマリウムコバルト磁石 ×6
トラスコ中山 TRUSCO
TSMG-20 [サマリウムコバルトマグネットホルダー Φ20]
価格: ¥1,910(税込)
ポイント: 191ポイント (ヨドバシ)
フェライト磁石 ×2
TRUSCO(トラスコ) キャップ付フェライト磁石 外径46mmX厚み4.7mm10個入り TFC46RA-10P
価格: ¥2,145 (Amazon)
シューアダプター
UTEBIT カメラシューアダプター 「4パック」 1/4ネジ マウント ダブル ホットシュー ICレコーダー 連結可 DSLR/三脚/一眼レフ/ビデオカメラ 対応 連結ネジ 写真スタジオ 撮影用 アルミ製 /4"マウントアダプター
ブランド: UTEBIT
価格: ¥998 (Amazon)
エポキシ接着剤
ボンド Eセット 100gセット #16051
ブランド: コニシ(KONISHI)
価格: ¥564 (Amazon)
ネジ
小ネジ M4 20㎜ トラス ステンレス
ナット
ナット M4 ステンレス
ワッシャー
ワッシャー M4 ステンレス
スプリングワッシャー
スプリングワッシャー M4 ステンレス
ネジ
小ネジ M5 5㎜ トラス ステンレス
◯工作
ステンレス板を切断します。
100mm×300mm×2mmから、100mm×150mm×2mmを1枚切り出します。
ステンレス板に起金をエポキシ接着剤で接着します。
まず、接着面をサンドペーパーで荒らします。
それから、接着剤を薄く塗り、しっかりと合わせます。
その後24時間放置します。
ステンレス板に穴を開けます。
図の位置に穴を開けます。
ステンレス板は硬いので苦労しますが、一気に開けると良いみたいです。
(逆に、少しずつ開けようとすると、上手くいきません。ドリルが熱で駄目になります。)
プレートの止めネジ(裏側にある細いネジ)を外します。(これは使いません。)
プレートにフェライト磁石をネジ止めします。(ワッシャーとスプリングワッシャーを挟みます。)
このフェライト磁石は、強すぎても弱すぎても良くありません。
強ければ、剥がすのに苦労し、弱ければ、すぐに剥がれて安定しません。
ステンレス板に、シューアダプター(ナット)を接着します。
エポキシ接着剤を薄く塗り、24時間放置します。
ステンレス板にサマコバ磁石をネジ止めします。
長いネジを使うと、サマコバ磁石が割れることがありますので注意してください。
6個のサマコバ磁石をネジ止めします。
ステンレス板と脚部を取り付けます。
脚部を取り付け。
ステンレス板を取り付け。
以上で工作は完了です。
フライパンを乗せたところ。
◯使ってみる
3mm厚のステンレス板(SUS430 )を敷きます。
野菜炒めを作ってみました。
ひき肉と、野菜を炒めていきます。
今回は、とろみをつけるため、あんかけにします。水溶き片栗粉を大さじ2杯入れます。
フライパンを傾けます。
盛り付けることができました。
角度を変えて。
◯結論
使ったフライパンは、アルミ製ですがIH対応のものです。
IH に対応するため、鍋底が磁性体になっています。
磁性体といっても、さほど強い磁性体ではありません。
そのため、強力なサマリウムコバルト磁石を6個使用しています。
この部分は熱が加わるため、熱に弱いネオジム磁石は使えません。
サマリウムコバルト磁石は熱に強い磁石です。
欠点は高価なことです。 1910円のホルダーを6個使っています。
1910×6=11460yen
18cmと26cmのフライパンを使いましたが、磁石の強度は十分でした。
IH対応のアルミフライパンを対象としています。鉄のフライパンや銅のフライパンは使えません。(鉄のフライパンは、くっついて剥がれないと思われます。)
今回、キーになる部品は、”雲台”です。Z型というもので、Edelkrone社(エーデルクローン)がオリジナルメーカーです。
Edelkrone社製の物は高価なので、今回は中国製の安物を使用しました。
スペック上では、負荷重量が3キログラムとなっていますが、固定しているネジが使っているうちに緩んで来ます。(緩んだら、ネジを締め付ける必要があります。)
このあたりは、改善の余地があります。
Edelkrone社製の雲台であれば、緩まないのかもしれません。(ただし、16000円します)
脚部の磁石は、使う時にはきちんと固定され、外す時にも苦労なく外すことができます。
この部分は、よくできました。
フライパンの角度を変える時には、起金の取っ手を操作します。フライパンのハンドルは使えません。(フライパンは、単に磁石で張り付いているだけなので、外れることがあります。)
あんかけの野菜炒めを、盛り付けることができたので
めでたしめでたし