フライパンを固定する
炒め物を作る時には、フライパンを片手で押さえ、もう片方の手でフライ返し(またはターナー)を持ってかき混ぜます。
しかし、片方の手に麻痺があると、上手くいきません。
フライ返しかフライパンのハンドルの、どちらかを選択して持つことになります。
(同時に二つを持つことはできません)
仕方なく、フライ返しを手に持って、慎重にかき混ぜることになります。(フライパンのハンドルは持たない)
本当は、リズミカルにかき混ぜたいのですが、万一、フライパンが五徳から外れてしまうと、大変なことになります。
これを、自助具を使用して、何とかします。
解決方法としては、
①、重量のある(重たい)フライパンを使う。
②、何らかの手段で、フライパンを固定する。
の二通りの方法があります。
①の「重量のあるフライパンを使う」は、単にフライパンを買い換えるだけで済みます。(自助具はいらない)
市場を見ると、重量が3キロぐらいの、厚手のフライパンが売られています。これならば、まず、ひっくり返る事はないでしょう。
しかし、重たいフライパンにはフッ素加工の物はありません。(チタン加工、マーブル加工、ダイヤモンド加工を含む)
銅製または鉄製の物になります。
銅や鉄製のフライパンにはメリットもあるのですが(長く使える、火の回りが良い、丈夫である、等)、手軽に使えるのは、やはりフッ素加工の製品です。
なので、①は候補から外します。
②「何らかの手段で、フライパンを固定する」を考えてみます。
フライパンを固定するワケですが、固定する(押さえる)場所から
②ー①、五徳を押さえる
②ー②、ハンドルを押さえる
の2パターンが考えられます。
②ー①、五徳を押さえる
これは、「コンロの五徳を加工して、フライパンを押さえる」という方法です。
加工の自由度が大きい(加工可能な面積が大きい)ので、しっかりとフライパンを押さえることができます。
しかし、装置の位置が熱源に近くなるため、使用できる素材が限られます。(金属またはセラミックス等で、1700℃程度に耐えられる物)
また、フライパンのサイズが変わった時には、構造が複雑になります。
以上のことから、五徳を加工するのは、少々無理だと思います。(新たにガスコンロを設計するのであれば、可能かと思いますが。)
②ー②、 ハンドルを押さえる
フライパンのハンドルを押さえる方法です。
フライパンのハンドルは、なべの重心から遠い位置についているので、物理的に、しっかりと固定することができません。
しかし、もともとが「取っ手」なので、押さえるのに使用できない筈がありません。
なんとか、十分な強度で押さえることができれば、目的が果たせる筈です。
今回は、強力な磁石で押さえ着けます。これで不安定ならば、万力を使う事を考えています。
それでは「フライパンを押さえる自助具」を作っていきます。
◯材料
金折 (L 字金具)
ハイロジック 万能L型金物 90×180mm F-818
商品番号 4960983168189
価格
443円 (税込 478 円)送料:588円
■サイズ:幅50×長さ90×180mm
■板厚:3mm
■ビス穴径:5.5mm
■仕上:ユニクロメッキ
■入数:1
■鉄
磁石
TRUSCO(トラスコ) キャップ付フェライト磁石49mmX41mmX12.8mm 10個 TFC49KA-10P
トラスコ中山(TRUSCO)
吸着力(N):196.0
長さ(mm):49.0
幅(mm):41
厚み(mm):12.8
穴径(mm):M5
質量(g):1150 (10個)
価格: ¥ 2,662 通常配送無料 (Amazon)
小ねじ
大里
61123 [ユニクロ 小ネジサラ M5×15 50入]
ポイント: 16ポイント(10%還元)(¥16相当)
価格: ¥157(税込) ( ヨドバシ)
スポンジシート(ゴム粘着付)
WAKI スポンジゴム粘着付 5mmX300mmX300mm
和気産業
サイズ 300X300 mm
パーツ品番(英数字のみ) SPN-05
ブランド名 和気産業
品目数 1
商品スタイル 5mm
製品型番(英数字のみ) SPN-05
¥433 (Amazon)
◯工作
前に作った「腕を掻く自助具」とほぼ同じです 。
「腕を掻く自助具」に、滑り止め用のスポンジシートを貼ると、「フライパンを押さえる自助具」になります。
今回は2つ作ります。
磁石を金折に止めます。
磁石の止め穴が、 ネジにぴったり合いました。(きちんと締め込みました。)そのため、 ナットなどは使っていません。必要に応じてナットを使ってください。
滑り止め用のスポンジシートを貼ります。
300×300のシートから、150×50のピースを2ヶ切り取り、貼り付けます。
以上で工作は終わりです。
◯使ってみる
この自助具は、ガスコンロの台が、磁性体でないと使えません。
具体的に言うと、「SUS430(ステンレス)の流し台」が該当します。同じステンレスであっても、SUS304の流し台は使えません。(磁石に吸着しないと使えない)
もし、SUS304(または樹脂)の流し台で使いたい場合は、SUS430の板を敷いて下さい。その場合は十分な質量が必要になります。(最低でも5kg以上)
まず、一本目の自助具を取り付けます。
取り付けると言っても、実際はフライパンのハンドルに密着させて置きます。(自助具は磁力で吸着します)
ここで、自助具を置く位置が重要になります。なるべくコンロに近く、かつ、熱の影響を受けにくい所を選びます。
次に、ハンドルを挟んで、二本目の自助具を取り付けます。
自助具は、流し台に吸着しようとする力が働らくため、思い通りにならないかと思います。
どうしても思い通りの場所にセットできない場合は、ビニールテープを磁石の上から貼る事で、磁石の強さを調整できます。(弱めることができます)
ガタツキがないように、位置を合わせて、出来上がりです。
写真はありませんが、野菜炒めを作ってみました。
フライパンを振ることはできませんが、それ以外は普通に調理出来ました。
重ねて、コンパクトに片付けられます。
◯結果
フライパンがずれることがなくなり、安心して使えるようになりました。
流し台のステンレスがやや薄く、磁力にロスが出てる気がします。本当は、3ミリぐらいの厚さがあると理想的です。(そんなものは、すでに「流し台」ではない)
フライパンにはハンドルが取り外せる物があります。
(↓こんなの)
これを使えば、様々なフライパン(鍋等も)を使うことが可能です。
その場合、もう少し大きな金折を使うと、背の高い鍋にも対応出来ます。
もっと強度が必要であれば、 自助具を2本追加すれば良いでしょう。 (私は十分だと思います)
流しに傷がつくことを防ぐため、薄いフィルムを貼ったほうがいいかも。
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フライパンを固定することで、安心して、炒め料理が出来るようになったので、
めでたしめでたし