定規を固定する
「カッターナイフを定規に当て、 紙を切る」という作業が、片手だと上手くいきません。
カッターナイフには、ある程度力を入れる必要があります(力が弱いと切れない)。
定規にもそれなりの力を入れないといけません。力を入れていないと、定規がずれてしまいます。
手にはカッターナイフを持つこと以外できないので、何らかの方法で、定規の方を固定することになります。
簡単に思いつくのが、定規に重りをつけて固定するという方法です。しかし実際にやってみると上手くいきません。
重りが軽い場合(例えば1 kgの場合)、軽すぎて重りの意味をなしません。カッターに少し力を入れると、定規がずれてしまいます。かといって、重くすると操作性が悪くなります。
インターネットで検索しましたが、良いアイデアは見つかりませんでした。
仕方がないので「定規を固定する自助具」を開発します。
☆仕組み
電磁石を内蔵した定規で、用紙を固定します。
電磁石に対応する磁性体として、3.3 mm 厚の鉄板を使用します。 (正確には、2.3mm厚 の亜鉛めっき鋼板と1mm厚のSUS430ステンレス板です。)
電磁石は12V 180N(20KG)のものを2つ使います。電磁石の選択肢があまりないので、サイズを基準にして選んでみました。
任意のタイミングで、電磁石をオン/オフできるようにします。今回はフットスイッチを使って操作します。
☆材料
電磁石
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フットスイッチ
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コネクター
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定規
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接着剤
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☆工作
定規に2ヶ所、電磁石を取り付ける穴を開けます。
電磁石の外形は直径34 mm の円です。
これはホールソーで開けます。
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1974円のお値段は、高いなぁとは思うのですが、他に方法がないので仕方ありません。
エポキシ接着剤で電磁石を取り付けます。
コネクターをつけて出来上がりです。
☆使ってみる
自助具のコネクターに12V の AC アダプターを接続します。
電磁石の抵抗は29.2Ω(実測値)でした。
(部品のスペックに消費電流が書いてありません。)
電磁石はパラレルに二つ実装しているので、合成抵抗値は14.6Ωとなります。
12Vの電源に14.6Ωの負荷を実装するため、0.821Aの電流が流れます。
したがって、 AC アダプターの容量は、1アンペア以上有れば使えることになります。
(温度上昇により、電流は少なくなります。)
12V の AC アダプターにフットスイッチをつけます。
フットスイッチとは 、足を使ってスイッチの 入り切りができるものです。
スイッチはオルタネイトになっています。(1回押すたびにオン/オフを繰り返します。)
今回使用した電磁石のスペックでは、12Vで20KGとなっていますが、磁性体(鉄板)の厚さが不明です。(書いてありません。)
今回は3.3mm の鉄板が相手なので、20KGには不足しているかもしれません。
また、今回の使用目的である用紙の切断には、用紙とカッターを保護する板が含まれるので、 電磁石と磁性体の距離は0.6mm程離れます。
これがどの程度影響するのか不明です。
A 3用紙に印刷した、地図を切ってみました。
カッターの保護用に、0.5 mm の塩ビシートを入れてあります。
強く力を入れると 、紙が動きますが、押さえておく分には、支障ありません。
上手く切断することができました。
オン/オフ時に用紙が動くこともありません。
スイッチをオンにした時に、若干遅れが見られますが、問題はありません。
多分、AC アダプターの特性ではないかと思います。
☆結論
通電状態を確認するため、LED が必要だと思いました。
電磁石の強さは、この程度が限度だと思います。これ以上大きな電磁石を使うと、重くなりすぎます。(現在233 g。 ケーブルを含まず)
電磁石を強くするよりも、鉄板の厚みを増やす方が良いかもしれません。
電圧がもう少し高くても、良いと思いました。ただ、電磁石の選択肢が限られるので、理想的な部品の選定ができません。本気で作るのだったら、コイルも自分で巻くことになるかと思います。
(そんな根性は、無いけれど)
まあ、「定規を使って紙を切断する」事ができたので、
めでたしめでたし