発泡スチロールの体積を減らす
お店で商品を買うと、商品自体の他に、化粧箱と緩衝材がついてくることがあります。
化粧箱には製品の見栄えを良くするという意味があり、緩衝材には 製品の品質を守るという意味があります 。
この緩衝材として、発泡スチロールがよく使用されています。
発泡スチロールは緩衝材として、優れた特性を持っています。
クッション性に優れ、安価、軽量、断熱性や耐水性もあります。正に理想的な緩衝材と言えましょう。
しかし、 製品を使用する段階において 、それらは意味を失いただの「ゴミ」となります。
とにかく、かさばり、大して重量もないのに場所をとります。
少しでも容量を減らそうと思い、カッターで細かく切り刻んだりすると、静電気が発生して、さらに悲惨なことになります 。
この 、”発泡スチロールの体積を減らす”手段を考えます。
☆溶剤に溶かす
リモネンと言う発泡スチロールを溶かす薬剤があります。これを使えば簡単に液状化することができます。ただし、リモネンは、少量で買うとかなり高価です。
リモネン以外にも、アセトンやガソリンなどを使って、同じように溶かすことができます。燃料用のガソリンを使えば、コストを抑えることもできます。
が、液状化したところで、それからの処理の方法が容易でありません。
通常は、業者に処理を依頼することになると思います 。(当たり前ですが、費用が発生します。)
よほど大量に発泡スチロールのゴミがあれば一考に値しますが、一般家庭では、やめておいた方が良さそうです 。
<注意>
ガソリン、アセトンは引火点が低いので火気に注意。
リモネン 引火点 48℃ 自然発火温度 237℃
アセトン 引火点 -20℃ 自然発火温度 540℃
ガソリン 引火点 -38℃ 自然発火温度 300℃
☆参考までに(リモネンの価格)
理科の実験に最適! シトラスオイル(D-リモネン)
商品番号 ASO-027
価格
1,589円 (税込) 楽天市場 むし工房
送料660円(東京都への最安送料)
製品仕様
内容 : シトラスオイル(D-リモネン 純度85%以上)
容量 : 250ml
容器 : ビン(バレックス)、フタ(PP)、パッキン(PP)
☆熱をかけて溶かす
発泡スチロールに熱風を当てて 、溶かすことを考えます。
ヒートガン(大きいヘアドライヤーのようなもの。高温の熱風が出ます )を使用し.発泡スチロールを加熱します。加熱されると、発泡スチロールの 微細な空気の泡(独立気泡)が崩れ 、元の樹脂に戻ります。
空気の泡が解放されるので 、体積は数十分の一に縮小されます 。
ただし、熱をかけることによって、素材が多少劣化します。そのため、この手法はリサイクルには向いていないと思います。(たぶん)
今回はこれでやってみます。
普通の家庭には、ヒートガンなる物が無いと思いますが、ヒートガンが一つ有ると 、ラベル剥がしや、熱収縮チューブの 収縮などに使え、何かと便利です。
私はヒートガンを前に居た会社で仕事に使っていました(半田作業のリペア用)。
仕事で使っていたのは「プラジェット」と言う国産の製品で、惜しげもなく金属を使った高信頼の物でしたが、値段もそれなりにしていました。(1万円位)
今回はそんなに長時間使うわけでもないし、安価な中国製品で済ませます。
お値段は激安の1800円で購入しました。(Amazon)
値段は安いのですが 、1800 W のパワーがあります 。
普通のドライヤーより大きめ。重さ665g。
◎使い方
ヒートガンの他に フライパンと落し蓋を用意します 。
フライパンはテフロン加工がしてあり、なるべく大きなものを用意します。新品である必要はありませんが、食品用とは区別しておいた方が良いでしょう。
落し蓋は溶かした発泡スチロールの形を整えるために使います。これも食品用とは区別しておきます。
作業はガス台の上で行います (ガスは使用しません)。
匂いが出るので換気扇は必ず使用してください。
☆やってみる
45cm×30cmの発泡スチロールです。リンゴの箱に入っていました。
行きます。
半分に切ってしまいます。
重ねて、溶かします。
こんな物でしょう。
落し蓋を使って、上から押さえます。 ぎゅっ。
できあがりです。1/20位になりました。
☆動画
☆結果
成功したと言っていいと思います 。ゴミは1/20以下に縮小され ました。
これを燃えないゴミの日に出します。
appendix
発泡スチロールだけではなく、 お菓子の容器や 卵パックなどの"プラごみ"も圧縮できます。
発泡スチロールを小さく圧縮し、捨てる事ができたので
めでたしめでたし